1 適 用 範 囲
  1.1 この規格は、製品認証業務を行っている第三者機関が、適格であり信頼できると認められるために遵守しなければならない一般要求事項を規定する。
           
   

この規格の中で、“認証機関”という用語は、製品認証業務を行っているすべての機関を網羅して用いている。また、“製品”という用語は、最も広い意味で用いられ、プロセス及びサービスを含んでおり、“規格”という用語は、他の規準文書例えば仕様書又は技術規則を含んでいる。

           
  1.2 認定機関による認証システムは、以下の項目の一つ又は、一つ以上のものを含むことがある。これらの項目は、ISO/IEC GUIDE 53で規定されているように、生産のサーベイランス、又は供給者の品質システムの審査及びサーベイランス、若しくはそれの両者を組み合わせてもよい。
    a) 形式試験
    b) 市場から又は供給者の在庫から、若しくは両者の組み合わせからのサンプリング試験又は検査
    c) 新品か使用中でるかを問わず、すべての製品又は特定の製品の試験又は検査
    d) バッチ試験又は検査
    e) 設計評価
    備考1 第三者の製品認証システムのモデルについては、ISO/IEC GUIDE 28を参照するとよい。
           
2 引 用 規 格
    ISO 8402 : 1994  Quality management and quality assurance-Vocabulary
    JIS Z 9911-1-1996 品質システムの監査の指針−第1部:監査
    備考 ISO 10011-1 : 1990, Guidelines for auditing quality systems-Part 1Auditingが、この規格と一致している。
    ISO/IEC Guide 21996 Standardization and related activities-General Vocabulary
    ISO/IEC Guide 71994 Guidelines for drafting of standards suitable for use for conformity assessment
    ISO/IEC Guide 231982 Methods of indicating conformity with standards for third-party certification systems
    JIS Z 9325-1996 校正機関及び試験所の能力に関する一般要求事項
    備考 ISO/IEC Guide 251990, General requirements for the competence of calibration and testing laboratories.が、この規格と一致している。
    ISO/IEC Guide 271983 Guidelines for corrective action to be taken by a certification body in the event of misuse of its mark of conformity
    ISO/IEC Guide 281982 General rules for a model third-party certification system for products
    ISO/IEC Guide 391988 General requirements for the acceptance of inspection bodies
    ISO/IEC Guide 531988 An Approach to the utilization of a supplier’s quality system in third-party product certification
    ISO/IEC Guide 621996 General requirements for bodies operating assessment and certification/registration of quality systems
           
3

定義

  この規格の目的のためには、ISO/IEC GUIDE 2及びISO 8402に記載の該当する定義を適用するとともに、以下の定義も適用する。
  3.1 供給者  製品が、認証の基礎となる要求事項に確実に合致させ、適用される場合には、確実に合致させ続けることに責任をもつ者。
           
4 認証機関
  4.1 一般
    4.1.1 認証機関が業務を遂行するための方針及び手順は、差別的であってはならない。また、それらの運用も差別的に行ってはならない。この規格に特に規定されていない限り、問い合わせ、申請などの申請者による当該機関の利用を妨げたり禁止するためにその手順を用いてはならない。
    4.1.2 認証機関は、当該機関が公表した事業運営分野の範囲内にある活動を行うすべての申請者が、そのサービスを受けられるようにしなければならない。不当な財政的又は、他の条件を課してはならない。サービスの提供にあたり、供給者の規模を条件にしたり協会又はグループの会員であることを条件にしてはならない。また、既に発行した認証書の数によって認証に条件をつけてはならない。
    4.1.3 供給者の製品を評価するための基準は、指定された規格に示されているものでなければならない。この目的に適した規格に対する要求事項は、ISO/IEC GUIDE 7に示されている。特定の認証システムにこれらの指定された規格類を適用することについての説明が求められる場合に提供する内容は、所要の技術能力をもつ適切で公平な委員会などが準備し、認証機関が公表しなればならない。
    4.1.4 認証機関は、認証についての要求事項、評価及び決定を、当該認証範囲に関係する事項に限定しなければならない。
  4.2 組織
  認証機関の組織運営機構は、その認証に信頼を与えるようなものでなければならない。認証機関は、特に以下の要件を満たさなければならない。
    a) 公平である
    b) 認証の授与、維持、拡大、一時停止及び取消しに関する決定に責任を負う。
    c) 以下の事項のすべてに総括的な責任をもつべき管理の主体(委員会、グループ又は個人。以下“管理主体”という。)を定める。
      1) この規格に定められた試験、検査、評価及び認証の実施
      2) 当該認証機関の運営に関する方針の策定
      3) 認証に関する決定
      4) 方針の実施の監督
      5) 当該認証機関の財政の監督
      6) 必要に応じて、この管理主体に代わって特定の活動を行う委員会又は個人への権限の委譲
      7) 認証を授与するための技術な基盤
    d) 法人格をもつ組織であることを示す文書をもつ。
    e) 公平性を確保するための組織運営機構をもち、これらを文書化している。これには、当該認証機関の運営の公平性を保証する規定を含む。この組織運営機構によって、認証システムの内容及び機能に関する方針及び原則の立案に重要なかかわりをもつすべての関係者が参加可能となるようにしなければならない。
    f) 認証に関する決定は、当該評価の実施者以外の者が行うようにする。
    g) 認証活動についての権利及び責任を有する。
    h) 業務運営及び/又は活動から生じる賠償責任などの債務に対して適切な備えがある。
    i) 認証システムの運営に必要な財政的安定性及び経営資源(注1)を持つ。
      (注1) 経営資源とは、人、もの及び財をいう。
    j) 遂行する職務の種類、範囲及び量に応じて、認証機能に必要な、教育・訓練を受け、かつ、技術的知識・経験をもつ十分な数の要員(注2)を、担当する上級の経営管理者のもとに雇用する。
      (注2) 認証機能に必要な要員とは、試験を実施する者、試験の結果を判定する者,品質システムを審査する者、前記項目について総合的に判定する者、技術専門家などをいう。
    k) 製品認証システムを運営する能力に信頼を与える品質システムをもつ。
    l) 製品認証活動と当該認証機関が行う他の活動とを区別する方針及び手順をもつ。
    m) 上級の経営管理者及び職員を含め、認証プロセスと結果を左右しかねないような営利的、財政的、その他の圧力に影響されない。
    n) 認証プロセスに直接かかわるあらゆる委員会の設置及び運営のための公式な規則及び組織運営機構をもつ。これらの委員会は、認証の決定を左右しかねないいかなる営利的、財政的、その他の圧力にも影響されない。特定の利害関係者が支配的にならないように利害関係の均衡を考慮して委員を選任する組織運営機構は、この規定を満足するものとみなせる。
    o) 関連機関の活動によって、認証の機密保持、客観性又は公平性が影響されることのないようにする。また、以下の事項を行ってはならない。
     1) 認証の対象製品と同じ品目の製品の供給又は設計。
    2) 認証を得る上で障害となる事項への対処方法についての、申請者に対する助言及びコンサルタント・サービス。
      3) 認証プロセス及び決定の機密保持、客観性又は公正性を損なうような、1)以外のすべての製品及びサービスの供給。
    p) 認証又は、その他の関連する事項の取扱いに関し、供給者又は、その他の者からの苦情、異議申し立て及び紛争を解決するための方針及び手順をもつ。
  4.3 運営
    認証機関は、特定の製品認証システムの要求事項に従って、指定した当該製品規格への適合性を評価するために必要なすべての手順を踏まなければならない(3.参照)。認証機関は、関連する規格又はその一部、並びに適用できる認証システムの基礎となる、サンプリング、試験、検査などのその他の要求事項を指定しなければならない。認証機関は、認証業務の実施に際して、JIS Z 9325、ISO/IEC GUIDE 39及び62で規定しいている、それぞれ試験、検査及び審査登録を実行する機関又は要員(注2)の適切性及び能力に関する要求事項のうち該当するものを遵守しなければならない。
  4.4 下請負契約
    認証機関が認証に関する業務(例えば、試験又は検査)を、外部の機関又は個人に下請負契約することを決定する場合、機密保持及び利害の相反に関する事項を含む取決めを定めた適切な協定を文書で取り交わさなければならない。認証機関は、以下の事項を行わなければならない。
    a) 下請負契約した業務に対する全責任をもち、認証の授与、維持、拡大、一時停止又は取消しに関しては自ら実施する責任を負う。
    b) 下請負契約先の機関又は個人が相応の能力をもち、この規格、並びに試験、検査又は技術的活動に関連する他の規格及び指針(2.参照)の該当規定を遵守するようにさせる。また、その機関又は個人が、直接的であれその雇用者を介してであれ、供給者の製品の設計又は生産に公平性が損なわれるような形での関与がないようにさせる。
    c) 申請者の同意を得る。
    備考2   認証の申請以前に、認証に関連する業務が行われていた場合、当該認証機関が4.4のa)で規定されている責任をもつことができ、4.4のb)の規定を満たしていると確信できる場合には、当該機関は認証にあたりその業務を考慮してもよい。
    備考3   認証機関が、協定締結のうえ他の認証機関が行った業務を利用して自身の認証を授与する場合にも、4.4のa)及びb)の要求事項が適用される。
   4.5 品質システム
    4.5.1 認証の品質に執行責任をもつ経営管理者は、品質に対する目標及び品質にかかわる決意表明及び品質方針を定め、文書化しなければならない。経営管理者は、組織すべての階層でこの方針が確実に理解され、実施され、維持されるようにしなければならない。
    4.5.2 認証機関は、この規格の該当する条項に従った、また、実施する業務の種類、範囲及び量に相応した効果的な品質システムを運用しなければならない。この品質システムは文書化し、また、その文書は、認証機関の職員が使用できるようにしなければならない。認証機関は、文書化した品質システム、手順書及び指示書が効果的に実施されるようにしなければならない。認証機関は、最高経営層に直接接触でき、他の責任とかかわりなく、以下の事項に対する権限をもつ者を指名しなければならない。
    a) この規格に従って、品質システムを確立し、実施し、維持させる。
    b) 認証機関の経営管理者に対し、品質システムの見直し及び改善の基礎として、品質システムの実施結果を報告する。
    4.5.3 品質システムは、品質マニュアル及び関連する品質手順書として、文書化しなければならない。また、品質マニュアルには、少なくとも以下の事項を含めるか又は引用しなければならない。
    a) 品質方針の表明。
    b) 認証機関の法的地位の簡潔な記述。これには、所有者がいる場合はその氏名、また、管理運営を行っている者がこれと異なる場合はその氏名を含める。
    c) 上級の経営管理者並びにその他の内部及び外部の要因(注2)の氏名、資格、経験及び業務分担
    d) 上級の経営管理者から発する、権限、責任及び職務分担の系統を示す組織図。
    e) 認証機関の組織の記述、これには、4.2のc)で定められた“管理主体”(委員会、グループ又は個人)の詳細、認証機関の基本規約、実施業務及び運営規則を含める。
    f) マネジメント・レビューを実施するための方針及び手順。
    g) 文書管理を含む業務運営の手順。
    h) 品質に関する運営上、機能上の職責及び業務。これによって、各人の責任の範囲を関係者全員に周知させる。
    i) 認証機関の要員(注2)の採用、選任及び教育訓練、並びに要員(注意2)の業務の監視手順。
    j) 承認した下請負契約書のリスト、及びその能力を評価し、記録し、監視するための手順。
  k) 不適合の取扱手順、並びに実施した是正処置及び予防処置の有効性を保証する手順。
    l) 以下の事項を含む製品の評価及び認証プロセスの実施に関する手順。
    1) 認証書の発行、保留及び取消しの条件
    2) 製品の認証に用いる文書の利用及び適用の管理。
    m) 異議申し立て、苦情及び紛争の取扱いに関する方針及び手順。
    n) JIS Z 9911-1の規定に基づいて内部監査を実施する手順。
  4.6 認証の授与、維持、拡大、一時停止及び取消しに関する条件及び手続き
    4.6.1 認証機関は、認証の授与、維持、縮小及び拡大の条件、並びに認証の一部又は全部の
一時停止又は取消しの条件を規定しなければならない。
4.6.2 認証機関は、以下の手順をもっていなければならない。
      a) 認証の授与、維持、取消し、及び該当する場合は一時停止。
      b) 認証範囲の拡大及び縮小。
c) 以下の場合における再評価。
        -製品の設計又は仕様に重大な影響を与える変更があった場合。
        -製品認証の基準となる規格の変更があった場合。
        -供給者の所有者、組織運営機構又は経営者の変更があった場合。
        -必要に応じて、製品が認証システムの要求事項に適合していない可能性を示す何らかの情報があった場合。
  4.7 内部監査及びマネジメント・レビュー
    4.7.1 認証機関は、その品質システムが実施され有効であることを検証するために、計画的、かつ、体系的な方法ですべての手順について定期的な内部監査を実施しなければならない。認証機関は、以下の事項を確実に実施しなければならない。
      a) 監査された分野の責任者に対する監査結果の通知。
      b) 是正処置の適時、かつ、適切な方法での実施。
      c) 監査結果の文書化。
    4.7.2 認証機関の執行責任をもつ経営管理者は、当該機関の品質システムが、この規格の要求事項、品質方針及び品質目標を満足するうえでの適切性及び有効性を継続して確保するに足る定められた間隔で、その品質システムの見直しを行わなければならない。見直しの記録は、維持しなければならない。
  4.8 文書化
    4.8.1 認証機関は、以下の事項を文書化し、定期的に更新し、要請に応じて(出版物、電子媒体又は他の手段を用いて)提示できるようにしなければならない。
      a) 当該認証機関の業務実施のよりどころとなる権限についての情報。
      b) 認証の授与、維持、拡大、縮小、一時停止及び取消しの規則及び手順を含む、製品認証システムの説明書。
      c) 各製品認証システムにかかわる評価手順及び認証プロセスについての情報。
      d) 当該認証機関の財政的基盤を確保する手段の記述、並びに申請者及び認証された製品の供給者が支払うべき費用に関する一般情報。
      e) 申請者及び認証された製品の供給者の権利及び義務の記述。これには、当該認証機関のロゴの使用方法及び授与された認証についての言及方法に関する要求事項又は制約事項を含める。
      f) 苦情、意義申し立て及び紛争の処理手順に関する情報。
      g) 認証された製品及びその供給者の登録簿。
    4.8.2 認証機関は、その認証機能に関するすべての文書及びデータを管理する手順を確立し維持しなければならない。これらの文書類は、最初の作成、又はその後の訂正若しくは変更に際して、適切に権限を与えられた適格な者が、発行前にその妥当性を検討し承認しなければならない。版及び/又は改正状態を識別したすべての適切な文書のリストを維持しなければならない。これらのすべての文書の配布を管理し、認証機関の要因(注2)が適切な文書を利用できるようにしなければならない。また、当該機関の活動に関する機能を遂行することが要求されている場合には供給者も利用できるようにしなければならない。
  4.9 記  録
    4.9.1 認証機関は、当該機関の状況に適し、かつ、現行の法規にも適合する記録の体系を維持しなければならない。記録は、認証の手順、特に申請書、評価報告書、サーベイランス活動並びに認証の授与、維持、拡大、縮小、一時停止又は取消しに関する他の文書についての手順が、効果的に実施されていることを実証するものでなければならない。記録は、業務プロセスの完全さ、及び情報の機密保持が確保できるように識別し、管理し、処分しなければならない。記録は継続的な信頼が実証できるように、最短でも一認証サイクル、また、法律で要求される場合は、その期間は、保持しなければならない。
    4.9.2  認証機関は、契約上、法律上又は他の業務で定められた期間にわたって記録を維持するための方針及び手順をもっていなければならない。認証機関は、記録の利用に関して、4.10.1に沿った方針及び手順をもっていなければならない。
備考4 記録維持期間の問題については、法的な事情及び承認協定などに照らして、特別の注意を払う必要がある。
  4.10 機 密 保 持
    4.10.1 認証機関は、当該機関の名のもとに活動する委員会及び外部の機関又は個人を含む組織のすべての階層において、認証活動の過程において得られる情報の機密を保護するために、該当の法律に従った適切な取決めをもっていなければならない。
    4.10.2 この規格又は法律で求められる場合を除き、ある特定の製品又は供給者に関して認証活動の過程で得られる情報は、その供給者の書面での同意がない限り第三者に開示してはならない。法律で第三者に情報を開示するよう要求されている場合は、法律に従って開示する情報をその供給者に通知しなければならない。
           
5 認証機関の要員
  5.1 一  般
    5.1.1 認証機関の要員(注2)は、必要な専門的判断をし、方針を立てこれを実行することを含む
遂行する職務に関して適格でなければならない。
    5.1.2 職務及び責任を記述した明確な指示書を要員(注2)が利用できるようにしておかなければならない。これらの指示書は最新の状態にしておかなければならない。
  5.2 資格基準
    5.2.1 認証機関は、評価及び認証を有効、かつ、一様に確実に実施できるようにするために、要員(注2)の適格性に関する最低限の基準を定めなければならない
    5.2.2 認証機関は、認証プロセスに携わる要員(以下“認証要員”という。)に対して、下記の事項を約束する契約書又は他の文書に署名することを要求しなければならない。
      a)   当該認証機関が定める規則に従うこと。これには機密保持に関すること、並びに営利的及びその他の利害関係に影響されないことを含む。
      b)   当該認証要員自身又はその認証要員の雇用者と、割り当てられる評価又は、認証の対象となる製品の供給者又は設計者との過去及び/又は現在の関係を明言すること。
認証機関は、契約した認証要員自身が、また、雇用者がいる場合はその雇用者も、この規格に定められた認証要員に対するすべての要求事項を満たすようにし、そのための方法を文書化しなければならない。
    5.2.3 認証機関は、各認証要員の関連する資格、訓練及び経験の情報を維持しなければならない。認証機関は、認証要員に関する訓練及び経験の記録、特に以下の事項についての最新の状態に維持しなければならない。
      a) 氏名及び住所
      b) 組織における所属及び地位
      c) 学歴及び専門的資格
      d) 当該認証機関が認証能力をもつ各分野における経験及び教育訓練
      e) 直近の記録更新日付
      f) 業績の査定
           
6 認証要求事項の変更
  認証機関は、認証の要求事項を変更しようとする場合には、十分な期間をおいて適切な予告を与えなければならない。認証機関は、変更にかかわる精確な内容及び発効日を決定する前に、利害関係者が表明した見解を考慮しなければならない。認証機関は、要求事項の変更に関する決定及びその公表の後に、認証機関が合理的であると考える期間内に各供給者が必要な対応を行ったことを、検証しなければならない。
           
7 異議申し立て、苦情及び紛争
  7.1 認証機関は、供給者又はその他の者から当該機関に持ち込まれる異議申し立て、苦情及び紛争を定められた手順に従って処理しなければならない。
  7.2 各認証機関は、以下の事項を実施しなければならない。
    a) 認証に関するすべての異議申し立て、苦情及び紛争の記録、並びに修正処置の保持   
    b) 適切なその後の処置
    c) 実施した処置の文書化及びそれらの処置の有効性の評価
           
8 認証の申請
  8.1 手順に関する情報
    8.1.1 認証機関は、個々の認証スキームに適切な評価及び認証の手順に関する最新、かつ、詳細な説明書、並びに認証のための要求事項、申請者の権利及び認証された製品をもつ供給者の義務(申請者及び認証された製品の供給者が支払うべき料金を含む)を含む文書を、申請者に提供しなければならない。
    8.1.2 認証機関は、供給者に対して以下の事項を要求しなければならない。
    a) 認証プログラムにかかわる該当規定に常に適合する。
      b) 評価の実施に必要な準備をすべて行う。これには、評価(例えば、試験、検査、審査、サーベイランス及び再審査)及び苦情の解決を目的とした、文書の調査、すべての場所への立ち入り、記録(内部監査報告書を含む)の閲覧及び供給者の要員の面接のための用意を含む。
      c) 認証の対象となった認証範囲についてだけ認証されていることを表明する。
      d) 認証機関の評価を損なうような製品認証の使い方をせず、また、誤解を招く又は範囲を免脱すると当該機関が考えるような製品認証に関する表明は行わない。
      e) 認証の一時停止又は取消しの場合、製品認証を言及しているすべての宣伝、広告などを中止し、当該認定機関の要求どおりに認証文書を返却する。
      f) 製品が適用規格に適合していると認証されていることを示すためにだけ認証を使う。
      g) 認証文書、報告書又はその一部分であっても、誤解を招くような方法で使用しないように努力する。
      h) 書類、パンフレット、宣伝、広告などのような媒体で、製品認証について触れる場合には、当該認証機関の要求事項に従う。
    8.1.3 申請された認証範囲が、認証機関の運用する特定のシステム又は特定のタイプにかかわる場合は、申請者に対して必要な説明をしなければならない。
    8.1.4 求められた場合には、追加情報を申請者に提供しなければならない。
  8.2 申  請
    8.2.1 認証機関は、申請者に対して必要事項をすべて記入し、権限をもった申請者代表者が署名した正式の申請書を提出するよう要求しなければならない。申請書又はその添付書には次の事項が含まれていなければならない。
      a) 希望する認証範囲
      b) 申請者が認証に関する要求事項を遵守し、認証される製品の評価に必要なすべての情報を提供する旨の同意書。
    8.2.2 申請者は、少なくとも以下の情報を提供しなければならない。
      a) 申請者の法人概要。すなわち、名称、所在地及び法的地位
      b) 認証される製品の定義、認証システム及び、各製品の認証の基準となる規格(申請者にとって既知の場合)
           
9 評価のための準備
  9.1 認証機関は、以下の事項を確実に行うために、評価を始める前に認証の申請者の確認を行い、その記録を維持しなければならない。
  i) 認証のための要求事項が明確に規定され文書化され理解されている。
  j) 認証機関と申請者との間に生じる理解の違いはすべて解消されている。
    k) 認証機関は、申請の認証範囲、並びに該当する場合には、申請者の業務実施場所及び特別な要請(申請者が使用する言語など)に応じて、認証サービスを実施する能力をもっている。
  9.2 認証機関は、必要な準備作業の管理ができるように、評価活動の計画を作成しなければならない。
  9.3 認証機関は、特定の評価を実施するのに適格な要員(注意2)を選任しなければならない。公平性が損なわれるような態様及び期間内に、要員(注2)が評価対象製品の設計、供給、据付又は保全に関与した場合、若しくはこれに関与した機関に雇用されていた場合には、その要員(注2)を選任してはならない。
  9.4 包括的、かつ、正確な評価を確実に行わせるために、当該要員(注2)に適切な作業文書を与えなければならない。
         
 10 評 価
  認証機関は、認証スキームの規則に指定されたすべての認証基準に照らして、申請書に定められた範囲に含まれる規格類を基準として申請者の製品を評価しなければならない。
           
11 評価報告書
  認証機関は、機関としての必要性に合った報告の手順を採用しなければならないが、この手順は最小限、以下の事項を確実なものとするものでなければならない。
  a) 製品の適合性評価を担当する要員(注2)は、すべての認証要員事項に対する適合性に関して検出した事項の報告書を当該認証機関に提出する。
  b) 認証機関は、評価の結果に関する必要事項がすべての記述された報告書を速やかに申請者に提出する。この報告書では、すべての認証要求事項に適合するために解消すべき不適合、及びさらに必要な評価又は試験の範囲を特定する。申請者が定められた期間内に是正によって前要求事項が満たされたことを提示できる場合には、認証機関は、その事項に関して、適用した評価手順の該当部分だけについて再評価を実施しなければならない。
           
12 認証に関する決定
  12.1 製品を認証するか否かの決定は、評価プロセスで収集した情報及び他の関連情報に基づいて、当該認証機関が行わなければならない。
  12.2 認証機関は、認証の授与、維持、拡大、縮小、一時停止又は取消しを行う権限を外部の個人又は機関に委譲してはならない。
  12.3 認証機関は、認証された製品を提供する各供給者に、権限を与えられた者が署名した書簡又は証明書のような正式な認証文書を交付しなければならない。これらの文書では、以下の事項を特定しなければならない。
  a) 認証の対象となる製品の供給者の名称及び所在地
    b) 授与された認証の範囲。該当する場合は以下の事項を含む。
      1) 認証された製品。その製品の型(注3)、又は範囲で特定される場合がある。
      2) 各製品又は製品の型(注3)の認証に対する製品規格又はその他の規準文書
    3) 適用される認証システム
      (注3) 型とは、製品群を特定できるものを意味する。例えば、モデル番号、製品種類(JIS、法律で定められている製品区分)など。
c) 認証の発効日、及び該当する場合、認証有効期限
  12.4 既に授与した認証の範囲の変更申請に応じて、認証機関は、範囲を変更すべきか否かを決めるために、どのような評価手順が適切であるかを決定し、その手順に従って実行しなければならない。
           
13 サーベイランス
  13.1 認証機関は、該当する認証システムに適用される基準に従って、サーベイランスを実施する文書化した手順をもたなければならない。
13.2 認証機関は、4.6.2 c)で引用した変更はすべて当該機関に通知することを供給者に要求しなければならない。その変更とは、製品の適合性に影響を与える、製品、製造プロセス、又は該当する場合、品質システムなどの意図した修正をいう。認証機関は、通知を受けた変更が追加調査を必要とするものかどうかを決定しなければならない。このような決定が必要な場合には、供給者は、認証機関が供給者に対して製品を出荷してよい旨を通知するまで、当該変更を行った認証機関のロゴマーク、認証書を添付した認証製品を出荷してはならない。
  13.3 認証機関は、そのサーベイランス活動の記録を文書化しなければならない。
  13.4 評価された型(注3)の製品に継続的に認証マークを使用することを認証機関が認める場合には、認証機関は、認証マーク付きの製品が継続的に規格に適合していることを確認するために、当該製品にかかる評価を定期的に実施しなければならない。
           
14 適合にかかる権利、認証書及びマークの使用
  14.1 認証機関は、適合にかかる権利、認証書及びマークの所有権、使用及び表示を適切に管理しなければならない。
  14.2 認証機関から認められた認証書及びマークの使用に関する指針は、ISO/IEC GUIDE 23に記載されている。
  14.3 認証機関は、宣伝、カタロクなどにおける、認証システムについて不正確な言及、認証書又はマークの誤解を招くような使用に対して、相応の処置をとらなければならない。
    備考5 このような処置は、ISO/IEC GUIDE 27に記載されており、是正処置、認証取消し、違反の公表、及び必要に応じて他の法的手段をとることが含まれる。
           
15 供給者に対する苦情
認証機関は、認証された製品の供給者に対して、以下の事項を要求しなければならない。
a) 製品が関連規格の要求事項を満たすことに関連して、供給者が知り得た苦情はすべて記録し、認証機関の要求のある場合、当該機関が利用可能な状態にしておくこと。
b) 上記の苦情、及び認証要求事項への適合性に影響を与える、製品又はサービスの不備に関して、適切な処置をとる。
c) これらの処置を文書化する。
         

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